第3章 「秋」~すれ違い~
太陽「ひっく…、ご、ごめん。」
太陽君は、少ししゃくりあげながらそう言った。
ひま「えぇ?なんで?」
太陽「お、お前に迷惑かけてばっかで…。」
ひま「何を心配してんの!私のことより、これからを考えよ!」
私は太陽にそう提案した。
太陽「これからなんて…、どうせ…」
ひま「そうやって、生きるのを諦めるの?」
太陽「え…?」
ひま「太陽君、前に言ってたよね?たくさんの人に元気を与える、ミュージシャンになりたいって。」
私は続けた。
ひま「生きるのを諦めてる人に、私はそんな歌を届けられないと思う。」
太陽「……。」
太陽君は黙り込む。
私は少し言い過ぎてしまったかな、と思い話題を変えようとした。
ひま「と、とにかく、どうせとか言わないで?あ、私にできることがあったら何でも言ってね?私頑張るから!」
私は、拳を握ってそう言った。
太陽「ありがとう。」
やっと、いつもの太陽君にもどったようだった。