第3章 「秋」~すれ違い~
ひま「話って…?」
私は太陽君の目を見て聞いた。
太陽「実は、オレ……」
太陽は黙り込む。
少し間をおいてから、話始めた。
太陽「実はオレ…、あと2ヶ月しか生きられないんだ。はは、驚くよな。自分の命がもう終わっちゃうなんて。」
ひま「え…?」
太陽君は笑っていた。
でも、私にはそれは嘘の笑顔だと分かった。
ひま「なんでそんな、笑っていられるの…?」
私は太陽君に聞いた。
太陽「なんでだろうな…。オレもよく分からない。」
太陽の手がかすかに震えている。
ひま「手震えてるけど、大丈夫?」
太陽「え?あぁ、大丈夫、大丈夫…。」
太陽君の顔から作り笑顔が、消えた。
太陽「オレ、病気なんて簡単に治るんだと思ってた。まだ、死ぬなんて信じられねーよ…。」
そう言うと太陽君の目から、涙がこぼれていた。
太陽「オレ、まだ死にたくねーよ…。」
太陽君は、しゃくりあげながら泣いてた。
いつも強がっていた太陽君が、初めて弱みを見せた。
私はかける言葉が見つからず、太陽君が泣き止むまで、ただただ傍にいることしかできなかった。