第2章 「夏」~想い~
「♪~♪♪…」
ヘッドホンから流れてくる音楽は、やわらかい音色だった。
思わず、目を閉じてリズムを刻んでしまうほど、私は夢中になった。
ひま「すごい…。この曲を完成させるために、太陽君はずっと練習してきたんだな…。」
私の脳裏に、太陽君と初めて会った時のことが浮かんだ。
「あの時から、太陽君の弾くギターに惹かれていたんだ」
私はそう思った。
気がつけば私は必死に、歌の練習をしていた。
いつもは短気で飽きっぽい私だけど、今回は違う。
「太陽の役に立ちたい。」
そう思うようになっていた。