第28章 己ノ終焉ヲ想ウ、歌
シーン………
動かなくなった連中しか居ない倉庫。
あの腹黒兄妹のせいで込み上げてきた、この怒りをぶつけられるものも、最早、無い。
『選べよ紬。太宰の元へ帰って合わない生活を送るか、俺と共に元の生活に戻るか――………』
幼くなった紬にした質問。
『治のところ』
判っていた。
判っていたが…………。
「紬が殺した分まで俺に押し付けやがって」
躊躇いなく返答した紬の言葉。
探偵社に戻す為に『態々、此所で顛末をつけにきた』太宰の行動。
お互いの行動を見越した、お互いの為の言動――。
「盗聴器なんて絶対に要らねーだろ」
中也はうんざりした顔のまま、本部に連絡し始めた―――。