第22章 2つ兄妹、違いは?
「な……んですか……?」
声を出すのがやっとな程、圧迫した空気。
「私は恋人にするなら処女じゃないと。結婚するまではけじめとして手を出す気はないからね」
「!私、汚れてなんかっ……」
それだけ云うと太宰は歩き去っていった。
「待って!太宰様!」
女の叫び声も虚しく、太宰は姿を消し、着替えを取りに行っていた女刑事が入れ替わりで入ってきたのだった―――。
―――
『次のニュースです。昨晩、女性が集団で性的暴行を受けるという事件が発生しました。犯人達は既に別件で逮捕されている強姦グループのメンバーで、警察は――――』
お茶を飲みながらテレビを観ている紬。
その紬を後ろから抱きながら身体を撫で回している兄。
湯呑みをテーブルに置き、完全に兄に身体を預ける。
「治の仕業か」
「何のこと?」
「とぼけるの?まあ良いけど」
太宰の方を向いて座り、口付けをする。
「んっ……」
紬から仕掛けたのに太宰が既に主導権を握っているのか。
時折、小さくピクンと反応しながら口付けを受け入れている紬。
「……治……?」
完全に力を奪われて、くてっとしている身体を太宰が押し倒す。
「こんなに毎日シてるのにねえ……全然足りないや」
「如何すれば良い?」
「うーん。昼間もシようかなあ」
「……それは流石に国木田君に怒られるよ」
そんなやり取りをしている間に紬の衣服が剥ぎ取られる。
「ふふっ冗談だよ。でも紬が私の恋人になってから甘えるのが上手になったせいだからね」
「困ってる?」
「愛し合う時間が足りないこと以外は全く困ってない」
「そう?なら良かった」
そうして二人は重なった。