第4章 好き
突然の刺激に腰が浮いた。
トランクスの上からだけど、小さな口が俺のを咥えていた。
「ちょっ、ちょっと、まっ、うぁ」
慌てて顔を持ち上げるようにこちらを向けさせると、急に口から出た振動でまた身体がぞくぞくした。
「くっ、あっ」
「痛かった?」
心配そうな顔をするちゃん。
「ううん、びっくりした」
「そっか」
「どきどきする」
そう言いながらもトランクスの隙間から手を滑り込ませる。
また俺自身がピク、と反応した。
それを面白がるように、ちゃんはそっと手で握った。
「あったかいね」
「まぁ、血が巡ってる状態だからね…」
ふにふにと固さを確かめるように触られ、もどかしいと感じる頃に上下にしごかれた。
小さく息と一緒に声を漏らすとちゃんが嬉しそうに笑う。
あれ、俺、なんか攻められてる?
焦る気持ちに腹ばいになった彼女の頬に触れると、見上げた顔は微笑んでいた。
「あれ…ちゃん、もしかしてドS?」
冗談めかしていうと、頬がさらに紅くなった。
「ちがっ、えっと、見たことないから、つい」
おろおろする様子がさっきの好奇心旺盛な表情とのギャップを生みだしている。
計算?ってくらい射抜かれる。
「じっくり観察してくれてもいいけど、俺、そろそろ限界かも」
その言葉にちゃんが固まる。
「あ、やめとく?」
出来るだけ優しいトーンで聞くと、少し固まった後、ふるふると首を振った。
「ううん、する。したい」
真っ直ぐ見詰められて、どきりとする。
そのまま抱き寄せで口づけると、ふふ、と笑いが聞こえた。
「どうしたの?」
「うん、なんか、不思議で」
「俺も」
「きぃちゃんも?」
「だって大切に童貞守ってきたのに!」
ふざけて言うと、ちゃんが真顔になった。
「初めても、その次も、全部私のものにする」
「…うん」
あれ?やっぱりこれ、逆じゃない?
「ねぇ、ちゃん」
「うん…?」
「捨てないでネ」
ああ、またふざけてしまった。俺のヘタレ〜〜!
「…」
あ、黙っちゃうの?
沈黙。
「浮気したらすぐ捨てる」
「しないよ!もうちゃんのことしか見えないよ!」
口が勝手に動く。ああ、俺、また情けないこと言ってる。