第3章 お好み焼き
ストレートに似合う、と言われてなんだか照れる。
大した意味はないと思っても、顔が緩むのを感じる。
さんの青く見えるほど綺麗な黒髪はつやつやと輝いていて、肩の辺りでさらりと揺れた。
そこでハッとした顔をして、手首にあったヘアゴムで髪を一つに縛った。
見惚れていると目が合った。
「いただきます」
俺にニッコリ笑うと、美味しそうにお好み焼きを頬張って、小さく「おいひい」と呟いた。
可愛すぎる。
パクパク食べる姿に俺の食欲もそそられて、お好み焼きに手を伸ばす。
「うん、美味しい」
綺麗に焼けたお好み焼きと、可愛い女の子。
今日はラッキー♪
「あっ」
「えっ?」
「今日の俺のラッキーカラー、濡羽色でさ」
「ぬればいろ?」
「そう、それって、ちゃんの髪みたいな、綺麗な黒髪のことだよなーって思い出して」
さんの顔がまたぱっと紅く染まる。
白いから、紅くなるとすぐ解るなぁ。
結んでいるから、かきあげる髪はないのに、耳元に手をやっている。
「ありがとう」
「ううん、でも本当に、綺麗な黒髪だよね」
「伸ばすようにしてからは、頑張ってるつもり」
目を細めると、妙に色っぽい表情になる。
「うんうん、すっごく似合ってる」
「そんなに言われると、なんか照れちゃうよ」
照れてる表情もかわいいよー
学校では見られない様子がなんとも言えず、つい顔が緩んでしまう。