第5章 本丸
ガラッ
五虎退「いち兄っ!」
キツネ「無事ですか、いち兄どの!」
いち兄さんが居る部屋に着いたらしく、五虎退とキツネは襖を開けて中へ入って行った。
襖の上には粟田口部屋と書いてあるプレート。
そう言えば私の部屋になってる襖の上に審神者部屋とか書いてあったプレートがあったっけなあ、と思い出した。
鳴狐「・・・ここが、粟田口兄弟の部屋」
四季「どれどれ・・・。
なるほど、兄弟多いから部屋も広めなんだね」
水色髪の青年「・・・っ審神者・・・・・・?」
四季「あ、はい。審神者です。
えーと、貴方がいち兄・・・さん?」
中へ入って行った五虎退達に続くように、私も部屋の中へと足を踏み入れる。
部屋の中には五虎退やちび虎くん達に囲まれている、鮮やかな水色髪の好青年が座っていた。
・・・なーるほど、これは確かに格好いい。
私がいち兄と呼んだのに反応してから、キッと見てきた。
水色髪の青年「・・・なぜ、ここへ?」
四季「五虎退と鳴狐に頼まれちゃって。
いち兄を助けてって。だから案内してもらったんだ」
水色髪の青年「五虎退と鳴狐に・・・。
・・・では私達を折られた状態から、霊力で治したのも・・・?」
四季「うん。
私の霊力にも限界ってものがあるから、全員を全回復!みたいな事はさすがに無理だけどね」
水色髪の青年「・・・・・・・・・」
四季「あ、言っとくけど私はこの子達に手を上げたり暴力を働いたりはしてないし誰にもそう言う事するつもりも無いからね?
そりゃ、ちび虎くん達やキツネに撫でてーってすりすりされてついつい癖で撫でて私も癒されたけど・・・嫌がってる事を強要したりとか、してないしするつもりは全く無いからね?」
弟達に何かしたんじゃ・・・と疑いの目を向けられ、私はすぐさま身の潔白を説明した。
私からしたらあれは役得だった。
ただでさえ動物好きだし、その上初対面にも関わらず私に歩み寄ってくれてすっごい嬉しかったし。
・・・これで「信じられるか!」とか言われて斬りかかられたらどうしよう。