第3章 開門
準備と調整が済んだらしく、望兄が私達の名前を呼ぶ。
私は哪吒に「んじゃ、またね」とだけ告げた。
私と千代、そしてこんのすけは門の前に居る望兄の元へ向かった。
太公望「・・・別れの挨拶は済んだか?」
四季「大袈裟だなー。
もう二度と会えないって訳じゃないじゃん。定期報告とかにもちゃんと来るってば」
太公望「クク・・・、そうだな。
お前達が居なくなれば、この時の政府も大分静寂するだろう。
・・・向こうでは一筋縄ではいかぬ事も多いと思うが、無理をしないようにな」
四季「・・・うん、解ってるよ」
太公望「さて・・・引き留めたい気も山々だが、そうも言っていられないのでな。
四季よ、準備はよいか?」
本丸に着いて結界を張ればそこからが審神者としての本領発揮。
準備と言うのは、心の準備だ。
でも、それはもうとっくにできてる。
私は望兄のその言葉に頷いた。
その様子に短く「そうか・・・」とだけ呟いて、望兄は一旦目を閉じた。
太公望「・・・座標、了。霊術、了。
往くは本丸の新たなる主となりし審神者。・・・開門!」
望兄の号令とともに、霊力の込められた門が開いていく。
・・・繋がってるんだ。
私がこれから向かう、本丸と。
一回深呼吸して、私は門の中へと向かった。