第10章 上位始祖の血
彼との計画通り天使(セラフ)は1匹逃がした。
そろそろ彼が出会い、回収する頃だろう。
そしてミカくん。
僕の予想ではクルルはミカくんを死なせないはずだ。
恐らく吸血鬼化させ、彼が望まない永遠の命を与える。
それにアリスちゃんを手に入れる事ができた。
これでようやく長年待ち望んだ瞬間が訪れるだろう。
800年前、クローリーくんと遊んだ時くらい退屈しなさそうだ。
優ちゃん、ミカくん、アリスちゃん、クローリーくん、その他の演者達…君達はきっと僕を楽しませてくれる。
吸血鬼化など無かったかの様に思えるアリスちゃんの寝顔。
彼女の髪を一房摘み弄る。
「……ん」
フェリド
「眠りについたお姫さま…目が覚めるのが楽しみだね」
人間の世界にある童話を思い出しながらアリスちゃんの目が覚めるをじっと待った。