第25章 4本の罪鍵
「あれのどこが…」
フェリド
「…もうすぐだよ」
どうしてあの戦いが終わりに近づくのか。
それを聞こうとしたが、その言葉はフェリドに遮られてしまった。
「………」
クローリー
「………」
今から何かが起きる。
私とお兄ちゃんは静かにそれが起きるのを待っていた。
フェリド
「ほら来た」
「…!」
するとフェリドの言う通り状況が動く。
私達の目の前を何かが一瞬通ったのだ。
その何かは上へと一直線に向かい、あの戦闘に混ざりに行ったらしい。
クローリー
「あれ…。一瀬 グレンじゃないか?」
「そうなの?」
目を凝らしているお兄ちゃんを見て私も同じように上を見る。
「…見えない」
でも私にはよく見えなかった。
気配を探ってもグレンの物とは思えない程、異質な感じがしている。
お兄ちゃんが見間違えていないとするとある可能性が出てきた。
「グレンが鬼?」
フェリド
「ぴんぽーん。だいせーかーい!」
あまりにもあっさり認めたフェリド。
やはりこれも知っていた。
そしてこの事から深夜達がなぜあんな状態になっているのかも予想がつく。
「深夜達はグレンを見つけたけどもう鬼になっていて攻撃された…って事?」
鬼になるという仕組みはよくわからないが、多分そういう事だろうと思ってフェリドに確認した。
フェリド
「多分そんな感じだと思うよ」