第24章 取り憑いた化け物
でもこのメンバーで勝てるとは思えなかった。
フェリド
「どうかなぁ」
それでもフェリドは勝ち目があると言いたげだ。
フェリド
「今日は僕1人じゃないから」
バステア・イルクル
「十三位に何ができる?」
フェリド
「ふふ、確かにねぇ」
実際お兄ちゃんは七位の実力がある。
それは私もだが、それだけではとてもじゃないが勝てない。
フェリド
「でも僕って可愛げがあるから最近じゃ、人間の仲間もたくさんいるんだ」
「ああ、そういう事」
フェリドの言葉でわかった。
ここにいる人間は深夜だけだが、近づいてくる気配があったのだ。
フェリド
「ほら」
五士/美十/小百合/時雨
「………」
言葉と共に姿を表したのはグレンを除いたグレン隊のメンバー。
フェリド
「敵陣に1人で深く入りすぎたね。人間を舐めすぎだ」
これがフェリドの自信の正体なのだろう。
確かに頼もしくはあるが、キ・ルクの時とは状況が違う。
あの時は暴走した優ちゃんのお陰でキ・ルクを撤退させれたのだ。
今回は戦力が足りなすぎる。
フェリド
「あなたは今日死ぬな…」
それをフェリドもわかっているはずなのに、そこまで言ってのけた。
これは覚悟を決めるしかないだろう。
「………」
短剣の柄を持つ手に力を込める
そして誰も殺させないと心に決めてバステア・イルクルを見つめたのだった。