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罪と罰【終わりのセラフ】

第23章 帝鬼軍の首都




フェリド
「行ってきなよ」


思いの外、フェリドはあっさり行くように言った。


クローリー
「大丈夫なの?」

フェリド
「多分だけどね」

「多分って…」


ただ安全かどうかはわからないらしい。
それならば何故行くように言うのだろうか。


フェリド
「大丈夫だよ。きっと珍しい物が見れる」

「…どういう事?」

フェリド
「やばそうだったら戻っておいで」


私の質問には答える気がない。
そして今の言葉から察するに、フェリドはこの先に何かがあると気づいているのだ。


「…わかった」

シノア
「では行きましょうか」


私が行く事を決断するとシノアが声をかけた。
どうやら私を待っていたらしい。


深夜
「暮人兄さんがいるだけだし、そんなに気負わなくて大丈夫だよ」


そう言って私の背中に手を添えた深夜と一緒に中へとはいった。


「その人と兄弟なんだよね?」

深夜
「うん」

「仲良いの?」


実験場までの道中、質問をしてみる。
先程の三葉達の関係を見たからこそ気になった質問だ。


深夜
「柊の兄弟は普通じゃない上、僕は養子だからね。扱いは分家と同じだよ」

「養子なんだ」

深夜
「そう。僕は子供の時に同年代の子達と競わされ、殺し合わされ、生き残ったから養子に選ばれた」


優しい笑顔を浮べ、楽しそうにしている深夜にそんな過去があるなんて考えもしなかった。
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