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罪と罰【終わりのセラフ】

第23章 帝鬼軍の首都




(優一郎side)


ミカ
「…ふーっ」


俺の腕に口を付け、息を荒くしているミカ。
血を飲み過ぎない様に注意しているからこそこんな息遣いになるらしいが、それにはもう慣れた。


優一郎
「…!」


窓の外を流れる景色を見ながら腕を差し出していると、とある看板が目に入る。


優一郎
「渋谷だ…」


ようやく俺達は渋谷まで戻ってきたのだ。


鳴海
「おい、みんな。渋谷に入るぞ」


鳴海の一言で和んでいた空気が一気に変わる。
車内に緊張感が走り、それぞれ反応を見せた。


三葉
「…なあ、シノア」

シノア
「なんでしょう、みっちゃん」


静かになった車内で恐る恐るといった風に口を開いたのは三葉。
それに対してシノアはいつも通り返事をしているのでみんな程緊張はしていないらしい。


三葉
「こんな正面から戻って大丈夫だと思うか?ついこの間、あたし達は帝鬼軍に殺されかけたんだぞ」

シノア
「………」


シノアは黙ってどんどん進んでいく車の外へと目をやる。
外は以前は栄えていた街まで入ってきており、崩壊しているビルが見えていた。

生存者や日本帝鬼軍の人間達が住んでいる所まで後少しだ。


シノア
「全然大丈夫じゃないと思いますがー…」


そこで言葉を止めたシノアは真っ直ぐ前を見つめる。
シノアの視線の先にあるのはグレン達が乗っている車だ。
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