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罪と罰【終わりのセラフ】

第8章 貴族の遊び




出口に向かって歩きだそうとした時、上から声が聞こえた。


フェリド
「あはぁ〜」


楽しげな笑い声。
数時間前に全く同じ声の相手と話している私達は、声の主が分かり凍りつく。


フェリド
「やあ、待ってたよ」


悠然と微笑むフェリドを見て、待ち伏せされていた事をすぐに理解した。
地図を盗んだ相手でもあるのだから1番バレる可能性があった吸血鬼。

わざわざここで待っていたのだ。
つまり作戦は失敗。


フェリド
「その顔が見たかったんだよ〜」

男の子2
「ひっ」


フェリドに微笑みかけられた子は小さな悲鳴を上げる。
動けなくなる子、私達の後ろに隠れる子、反応は様々だ。
だがフェリドはその顔と1つにまとめていた。


「…その顔?」

フェリド
「希望が突然消え去る時の人間の顔、これを見たいからこの遊びを止められないんだよね〜」

優一郎
「遊びって…」


恐怖よりも好奇心が強く、本人に聞いてしまったがミカも優ちゃんも咎めない。
フェリドもあっさりと教えてくれる。

そしてその回答に優ちゃんは絶句。


「もしかして最初から仕組まれてた…?」

フェリド
「そうだねぇ」


そう言うのと同時、いや言い終わるよりも早くフェリドは床を蹴る。
気がつくと、ミカの1番近くに居た男の子を掴んで私達の後ろに降り立っていた。
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