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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




そう言ってフェリドが指差したのは前を走る2台の車。
目を凝らすと、乗っている人達はすぐに分かった。

すぐ前の車に乗っているのはシノア隊。
そして1番前を走っている車はよく見えないが、恐らくグレン隊のメンバーだろう。


「…あの人達の血を飲むわけないでしょ」

フェリド
「でも深夜くんの血は飲んだ事あるんじゃなかった?」

「はぁ…」


フェリドが私で遊ぼうとしている事に気づいて溜め息が出た。
でも今回はここまで執拗に絡んでくる理由が分からない。


「お兄ちゃん」

クローリー
「ん?」

「フェリドがうるさい」

フェリド
「酷いなー」


私の発言で泣く真似をするフェリドを無視してお兄ちゃんに訴える。


クローリー
「もう2時間近く車に乗ってるからね、暇なんだよ」


するとフェリドがやけに絡んでくる理由が判明した。


「2時間近く…ってどこに向かってるの?」

クローリー
「名古屋にある研究所だって」

「研究所?」


わざわざ名古屋まで行く理由も目的も相変わらず情報は貰えない。
そうは分かっていてもお兄ちゃんの言葉を繰り返しつつフェリドへと視線を向けた。


フェリド
「どういう場所かは着いてからのお楽しみで」

「…分かった」


こう言ったからには絶対に教えてくれない。
どうせお兄ちゃんも詳細は知らないはずだ。

これは大人しく諦める他ない。
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