• テキストサイズ

罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




「ん…」


頬にあたる風。
その感触に意識が浮上した。


「………」


目を開けると視界に広がったのは綺麗な青空。
血が抜けてしまった私の頭では今の状況が理解できずに戸惑ってしまう。


フェリド
「あ、アリスちゃん起きたー?」


そんな時、近くからよく知った声が聞こえてきた。


「…フェリド」


そちらを見ると笑顔でこちらを見ているフェリドと運転しているお兄ちゃん。
その姿を見てここがどこかは分かった。


「車…」


天井がなく車内が広いから気づかなかったが、私はオープンカーの後部座席に寝かされていたらしい。
かなりのスピードで走っている為、慎重に体を起こす。


クローリー
「もう起きて平気?」

「ん、大丈夫」


前を見ながら聞いてくるお兄ちゃんに答えつつ、布団代わりにかけられていた自分のローブを羽織った。


クローリー
「血は目的地に着いたらあげるから少しだけ待ってて」

「うん」


お兄ちゃんも戦闘後よりは平気そうなので素直に言葉に甘える事にする。
後は目的地まで僅かに酷くなってきた血の渇きに耐えればいい。


フェリド
「すぐに欲しいなら僕の飲む?」

「いらない」


確実に拒否されると分かっていて聞いてくるフェリド。
お望み通り即座に首を振って断る。


フェリド
「えー、じゃあ彼らのは?」
/ 646ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp