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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




すると彼らは犠牲になった者も救おうと望むのだろう。
これではみんなが一瀬 グレンになり、破滅を繰り返す事になるだけだ。


「…欲深いのは立派な罪だね」

クローリー
「………」


人間の底知れない欲望。
これを実感すると、上位始祖達が人間を管理したがる気持ちも分かる気がした。


ミカ
「…やばいと思ったらあの男はすぐに殺すぞ」


顔は確実に嫌がっているが、結局ミカは優ちゃんの事を優先してしまう所は変わらない。
結局ミカは吸血鬼になっても優ちゃんに弱いままだった。


グレン
「それで構わない。俺はそれだけの事を…」

ミカ
「黙れ。どうなっても僕はお前を信じない」


ミカはグレンを拒絶しているが、優ちゃんがいる限りグレンの指示に従う事になる。
それをグレンも理解しているからこそミカの態度に文句を言わないのだろう。


優一郎
「大丈夫だ!ミカもきっとグレンの事を好きになる!」

ミカ
「もう…」


優ちゃんの説得のお陰で嫌がっていたミカも一緒に戦う事が決定した。
その安心感からか、この緊迫した状況にも関わらず空気は軽い。


クローリー
「吸血鬼はもう誰かを好きになったりできないけどね…」


そんな中、誰にともなく呟かれた言葉。
聞いた事がない情報に私は反応した。


「そうなの?」

クローリー
「吸血鬼は感情が欠落しているから無理だと思うよ」
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