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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




キッチンにはお兄ちゃんとミカ以外が集まった。


君月
「こんな食い物いっぱいあるの見たことないぞ!!」

優一郎
「すげぇのか?すげぇ美味いのがあんのか?」

君月
「ああ!滅多に食べれない物ばかりだ!」


優ちゃんは冷蔵庫を覗いて驚いている君月の元へ駆け寄った。
余程凄い食材があったのか、君月は興奮した様子でどんどん食材を出していく。


鳴海
「わ、和牛だ」

与一
「和牛!?」


テーブルに置かれた大きな肉の塊。
それを取り囲んで盛り上がる人間達。


優一郎
「わぎゅうって何だ?美味いのか?」


でも優ちゃんだけが話についていけない。
これも地下都市で過ごしていたのだから仕方ない事だ。

地下都市ではそんな高級な物を食べる機会も知る機会もない。


鳴海
「貧乏人は知らない食い物だ」

優一郎
「貧乏人…」


そんな優ちゃんにキッパリと告げる鳴海。
彼は私達とは違って良い所で育ったのだろう。


優一郎
「俺、貧乏人だったのか?」

鳴海
「知らないよ」


私達は貧乏人とは少し違う。
食事は簡素な物ばかりだったが、質素ではなかった。


優一郎
「つーかお前は金持ちだったのか?」

鳴海
「一瀬家に仕える名家の出身ではあったが…」


鳴海は優ちゃんの質問に肯定はしないけれど否定もしない。
彼の態度や考え方を見る限り金持ちであっているのかもしれない。
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