第18章 執着
優一郎
「じゃあお前も七位か八位くらいの強さって事か?」
クローリー
「それは違うよ」
他の人間も何も言えなくなっている中、優ちゃんは全員が知りたいのであろう事をどんどん聞いてくる。
お兄ちゃんも隠す気は無いらしく、平気な顔をして答えていった。
クローリー
「アリスはまだ若いから九位ぐらいじゃないかな」
元からの技術の差もありお兄ちゃんには全く歯が立たない私の実力は九位辺りで合っている。
シノア
「あの〜1つ質問してもいいですか?」
声に反応してそちらを見ると、シノアと目が合った。
こちらを見ているから私への質問だろう。
「どうぞ?」
シノア
「では…先程も気になったのですが、そのフェリドさんの様に自分以外の血を飲ませる行為はよくある事ですか?」
「それは…」
優一郎
「ん?」
答えようとした時、私の言葉を遮った優ちゃん。
シノア
「私、変な事言いました…?」
首を傾げるシノアだが、彼女はおかしな事を言っていない。
不安そうな声を出したシノアにも気づかない優ちゃんへと声をかける。
「どうしたの?」
優一郎
「それってそんなに重要な事なのかなーって」
シノア
「いやいや、とっても重要ですよ!」
優一郎
「そうか?」
シノアが重要性を訴えるが優ちゃんは理解していない。
そんな優ちゃんに呆れた君月も口を開く。