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罪と罰【終わりのセラフ】

第18章 執着




どう言うべきか分からずに黙ってしまった私に助け舟を出したのはミカだった。


ミカ
「優ちゃんって本当に察しが悪いよね」

優一郎
「はぁ!?」


やはりミカには伝わっている。
私は彼らが優ちゃんの仲間だからこそ気を使い、遠回しに彼らには聞かれたくない事と言ったのだ。


ミカ
「僕と同じだよ」

優一郎
「同じ…?」


同じという事はミカはまだ彼らの事を信用していない事になる。
つまり教えなかった私の選択は間違っていない。

問題は未だ理解をしない優ちゃんにどう説明するかだ。


クローリー
「君達はともかく他の人間には言えないって事だよ」


でもそれは痺れを切らしたお兄ちゃんのストレートな説明で解決した。


優一郎
「なんだ、そんな心配しなくてもこいつらは大丈夫だぞ」

シノア
「そうですよ〜」


優ちゃんの言葉を後押しする様に笑顔で手を振ってくる女。


シノア
「ミカさんには言いましたが、優さんの家族なら私達の家族も同然です」

優一郎
「ほらな!」

「そう…」


そんな事を言われても無理なものは無理だ。
特に彼女からはどこか懐かしい嫌な感じがする。


「………」


私は返事に困りお兄ちゃんの方へと逃げた。


優一郎
「あ…」


私が何も答えなかったのに優ちゃんが少し残念そうな声を出すが、聞こえないふりをする。
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