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罪と罰【終わりのセラフ】

第15章 特異な存在




クローリー
「今日で3日だからね。調子はどう?」

「暇」

クローリー
「はは、そんな君に朗報だ」

「!」


朗報、その言葉に反応してお兄ちゃんの方を見る。
そんな私の反応にお兄ちゃんは笑いながら言った。


クローリー
「僕は明日からしばらく名古屋に帰るんだ」

「え…」


それは朗報なのだろうか。
お兄ちゃんがしばらくいないなんて私にとって悲報でしかない。


クローリー
「そんな顔しないでよー」

「わっ」


思わず俯いてしまうと頭をクシャっと撫でられた。
いつもなら嬉しい事だが、今回はそれでは誤魔化されそうにない。


「お兄ちゃんいないって私、屋敷に1人になる…」

クローリー
「いや、フェリドくんいるよ」


フェリドは任務以外ならいてもいなくても変わらないから頭数に入らないからスルー。
そんな私の態度に慣れっこなお兄ちゃんはフェリドに関してはこれ以上触れない。

その代わりに私にとって最高の提案をしてくれた。


クローリー
「一緒に来る?」

「…いいの?」

クローリー
「悪かったら言わないよ」

「じゃあ行く」


私の返事を聞いてお兄ちゃんは出ていく。
フェリドにその事を伝えてくるみたいだ。

お兄ちゃんの拠点がある名古屋。
チェスとホーンに会う事になるけれどこの地下都市から少しの間だけでも解放される。


「…楽しみ」


任務以外では初めての外に思わずそんな言葉が漏れていた。
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