第15章 特異な存在
フェリド
「じゃあ僕じゃなくて彼に君への罰を決めてもらおうか」
「彼…?」
アリスちゃんは意味が分からないという顔をしている。
そんな彼女に笑みを返し、鍵を開けてドアを開いた。
フェリド
「やっほ〜」
クローリー
「……」
「…うわ」
そこにいたのはアリスちゃんが大好きで、今とても会いたくない吸血鬼。
でもそんな事はお構い無しに部屋へと招き入れた。
フェリド
「思ったより帰ってくるの早かったんだね、クローリーくん」
クローリー
「はぁ…フェリドくんはいつから気づいてたの?」
フェリド
「あは、いつからだろうね?」
そんな風に話しながら顔を青くするアリスちゃんを見る。
これからアリスちゃんは何を言われるのか。
それを楽しみに先程と同じ位置へと腰掛けた。
*****
(アリスside)
「…いつから聞いてたの?」
深夜の話が終わってからだと私は助かる。
そう願いながら恐る恐る話しかけると、お兄ちゃんは私に近づいてきた。
クローリー
「僕が戻って来たら話してってフェリドくんが言ってた辺りかな」
「………」
それは聞かれたくなかった事を一部始終聞いていた事になる。
そもそもこうなるのならフェリドに話す必要はなかった。
クローリー
「…アリス」