第14章 任務
日本帝鬼軍との戦争、その被害は凄まじかった。
柊 暮人(ひいらぎ くれと)率いる本隊が来てから勝ち目がないと判断した貴族が逃げたからだ。
それにより戦力が減った一般の吸血鬼は逃げ遅れ、殺害。
吸血鬼側はそれ位の損害痛くはないのだが、私にとっては嫌な知らせだった。
「また任務?」
フェリド
「そうだよー。とにかく吸血鬼が足りないからね」
下位の吸血鬼がいなくなると任務に向かわせる人数が足りなくなる。
つまり私達貴族が任務に駆り出され、少ない人数で戦力を補強する事になるのだ。
現に戦争以降、私はお兄ちゃんかフェリドと共に任務へと度々向かっていた。
フェリド
「ただ今回は僕もクローリーくんも別の任務で行けないけど1人で大丈夫?」
「何とかする」
2人がいない時に外の世界に出るのは初めてで、不安ではないと言えば嘘になる。
でも2人も任務がある。
無理でもやるしかないという事だ。
フェリド
「まあクローリーくんの部下も1人参加するみたいだからそんなに心配しなくてもいいと思うよ」
「部下って誰?」
フェリド
「さあ?名前聞いたけど忘れちゃった」
そんな事だろうと思ったから驚きも呆れもしなかった。
一応教えてくれたフェリドにお礼を言って部屋から追い出す。