第4章 家畜
ミカ
「とにかく優ちゃんは夢見すぎだって、もしくは漫画の読みすぎ」
優一郎
「漫画なんか読んでねーよ!!」
「そもそも漫画なんかここにはないよ?」
空気を読まない私の言葉をあっさりスルーして、ミカは話を続けた。
ミカ
「とにかく吸血鬼を殺すとか大声で言わないでくれる?正直これ以上吸血鬼に目つけられたくないん…」
「もう手遅れだよ」
ミカ
「え…?」
よそ見をしていたミカに教えてあげると、慌てて優ちゃんの方を見た。
そこにはミカの頭が痛くなるような光景が。
優一郎
「おめーら!いつかぜってぇー殺すからな!!」
たった今ミカに言われたのにも関わらず、優ちゃんは通りすがりの吸血鬼に叫んでいた。
優一郎
「俺は毎日1万回腕立て伏せしてるんだから…!!」
ミカ
「きーとんのか」
優ちゃんにミカがチョップをかました。
頭を押さえて黙る優ちゃん。
そんな優ちゃんに追い討ちをかけるように聞いてしまった。
「優ちゃんって腕立て伏せを1万回もやってたの?」