第12章 吸血鬼の生活
「…どういう事?」
想定外だったのか、アリスの顔が曇った。
フェリド
「前みたいに希望に溢れてないんだよ。暗い目に暗い顔…そんなミカくんも可愛いけどねー」
アリスが暗い顔をしている事に気づいているのだろうが、人が嫌がる事が大好きなフェリドくん。
敢えてアリスが落ち込みそうな事をどんどん告げていく。
「………」
クローリー
「でもアリスや逃げた子に会ったら元の性格に戻るよ」
黙って俯いてしまったアリス。
泣かれてしまっては困るので一応フォローを入れる。
フェリド
「確かにそうだね」
フェリドくんも同意している所を見ると、ミカくんは相手によってかなり態度を変える子なのだろう。
そんな僕らの話を聞いてアリスの顔に少しだけ安堵が浮かんだ。
その顔を見てフェリドくんは釘を刺す。
フェリド
「言われる前に言っておくけどミカくんにはまだ会わせないからね」
「文句は言わない。でもどうして?」
少し不満げだが、素直に了承したアリス。
フェリド
「詳しくは教えない。言えるのは会われると都合が悪いって事だけ」
「…分かった」
相変わらず理由は教えてもらえない。
そんなフェリドくんに渋々といった感じだったが、アリスはこれ以上追求しなかった。