第12章 吸血鬼の生活
(アリスside)
吸血鬼としての生活に少しだけ慣れてきた私は自分の部屋で休んでいた。
「はぁ…」
ベッドに横になりながら昨日の事を思い出すと、何度目か分からないため息が漏れてしまう。
吸血鬼に休息は必要ないのだが、ゴロゴロしていると誰かがドアをノックをした。
この部屋に来るのはフェリドとクローリー。
返事を返すまで開けないところを見ると多分これはクローリーだろう。
「起きてるよ」
そう言って体を起こすと扉が開いた。
入って来たのはやはりクローリー。
クローリー
「気分はどう?昨日は疲れただろ」
「うん。いつもあの2人といて疲れないの?」
半分嫌味を込めてそう聞いた。
そんな愚痴のような問いに、クローリーは可笑しそうに笑う。
クローリー
「慣れたよ。それにフェリドくん相手より断然楽だし」
「それはそうだけど…」
クローリーの言う通り、フェリドよりも面倒くさい吸血鬼はそういないはずだ。
ただあの2人も充分面倒くさい部類に入ると思う。
「…私は慣れなさそう」
起き上がったばかりのベッドに寝転び、2人の事を思い出す。
クローリーの部下のチェス・ベルとホーン・スクルド。
とても騒がしくてクローリーに従順な第十七位始祖の貴族達。