第2章 第1話
『 〜〜〜♪〜〜〜♪ 』
愛莉は大きなアラーム音で目を覚まし、
ベッドから手を伸ばしスマートフォンをとった。
「 …は……嘘でしょ…!? 」
アラーム音を止めると画面には "不在着信8件" の文字が表示された。
「 やばい…遅刻だ…… 」
時刻は9時を過ぎていた。
不在着信の相手は全て愛莉がいるミハンのリーダー "井沢 範人" からだった。
慌ててベッドから飛び起き、井沢に電話をかけた。
井沢「 もしもし 」
井沢はすぐに電話に出た。
「 井沢さん…!すみません!! 」
井沢「 わかってるよ、寝坊だよね?珍しいなぁ 」
電話口の井沢は怒ってる様子もなく楽しそうに笑っていた。
「 本当にすみません!今すぐに支度し「 とりあえずさ、ドア開けてくれない? 」
井沢は愛莉が話し終わる前に言葉を発した。
「 はい?今何て?? 」
井沢「 だから、ドア、開けて? 」『 ピンポーン 』
井沢がフフッと笑いながら話した直後、愛莉の家のインターホンが鳴った。
( まさか…!? )
愛莉は部屋中を落ち着かない様子で動き回る。
井沢「 星野くんがなかなか電話出ないから心配で家まで来ちゃったよ 」
まだ電話を切らずにいたスマートフォンとドアの向こうから重なって井沢の声が聞こえてくる。
( 待って…髪の毛ボサボサだしすっぴんだしまだパジャマなんだけど!! )
「 あ、あの井沢さん…10分、いや、5分待ってもらえますか? 」
井沢「 えー迎えにきた上司を外に放置するの〜? 」
( うう……そんなこと言われたら何も返せないよ…… )
井沢「 とりあえず中に入れて待たせてよ 」
引き下がらない井沢に愛莉は大きなため息をついて、軽く髪を手ぐしでとかして玄関に向かった。
.