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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第14章 誘拐




ジルの言葉の意味を理解したイリアは
みるみるうちに顔を赤く染めた。

「ジル……それって…」


深紫の瞳が、優しく微笑む。

「私にも、プリンセスと同じように…宣言をさせて下さいますか?」

言葉をうまく紡ぎ出せず
こくこく、と頷くと

「よかった…」


そう言って
優しい口づけが落とされた。










こうして

ジルは、プリンセス、ユーリと共に
ハワード卿の屋敷へと出発した。


窓越しに彼らの乗る馬車を見送ると
イリアは振り返り、机に向かった。


「さぁ、頑張ろっと!」


気合を入れて、一番上に積まれた書類から目を通し始めた。






まさにその時だった。





ドンドンドン


乱暴に扉を叩く音が部屋中に響き
イリアはビクリと肩を揺らす。

(えっ…誰かな……)

「はい」

返事の後すぐに開かれた扉からは
数人の官僚たちが現れた。


「皆さん、いったい……」

官僚たちはものすごい剣幕で迫ってきた。

「秘書イリア、お前星詠みなどという怪しい術を使ってジル殿を操っていたというのは本当か」

「?!」

「事実かどうか聞いている!」

(どうしよう……)

返答に戸惑っていると


「星詠みなどという不確かなものを利用して、国政に口を挟むとは…これは重罪に値する!!」


すると、官僚たちはイリアの腕を掴んだ。


「本日夕方よりお前の罪を決める王宮会議を発動する!」


イリアは何が起きたのか
どうすればいいのか

わけがわからずに、ただ立ち尽くしてしまった。



会議にかけられる??



そうしたら…いったいどうなってしまうの……?



(……ジル!!)




助けを呼ぶこともできず
イリアはその場にへたり込んでしまった。




「ちょっと…それは強引すぎだよ」



扉の前に立ちふさがる官僚たちの後ろから
声がした。


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