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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第5章 再会



「……おい」

シドの、一段と低い声が静かに響く。

「……」

目が笑っていない。

「……何、隙見せてんだ」

「えっ」

「スケベ官僚に食われてんじゃねえ」

「…ちがっ!」

否定しようと口を開きかけると、
すぐさまシドはその唇を奪った。

「…ん…」

一気にこじ開けられ、シドの舌がイリアの中を犯していった。

「……んっ…んん」

いつにも増して乱暴に、歯列をなぞり、
イリアの舌を絡め取る。

呼吸ができず、苦しさを訴えようとシドの胸板を叩くが、
その手も掴まれ壁に縫い止めると、なお口づけを深めていった。

(……もう、限界…)

意識が飛びそうになった瞬間
シドは、やっとイリアの唇を離した。

「…はぁっ、はぁっ…んはぁっ……」

イリアの目には涙が浮かび、
暑さのせいなのか
先程からの目まぐるしい展開のせいなのか
吹き出す汗が顔の輪郭をつたっていく。


イリアのその顔を見ると、シドは満足げにいつものせせら笑いを浮かべた。

「たまんねぇな…」

そして、放心状態のイリアをそのまま置いて去ろうとした。


「……えっ…あ……」

「……シャワーでも浴びて着替えて来い。だせぇ服着てくんじゃねーぞ」

手をひらひらとさせてシドは行ってしまった。



(……勝手すぎる)



鼻の奥に残る、僅かなシドの香りに
胸がチクリと痛む。

イリアは、シドとの余韻を確かめるように
自分の唇を指でそっとなぞった。














シドが指定してきたレストランは
城下町の外れにあるが、喧騒から離れ緑に囲まれた高台にあった。

各テーブルが離れており、個室にはなっていないが独立した空間になっている。

それ以外にもテラス席、奥にはVIP用の個室もあった。


約束の時間より少し早く到着したイリアは
受付で名前を告げると

奥のVIPルームへと案内された。

「シド様はまだお見えではありませんが、こちらでお待ち下さい」

通された部屋は、王宮ほどではないものの
豪奢な照明や飾りの並んだ、きらびやかな部屋だった。

(うわー・・・すごい・・・)

まったく落ち着かないその部屋で、イリアは一人椅子にかけてシドを待った。

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