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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第16章 婚姻式




(綺麗だったなぁ…プリンセス)


天井を仰ぎ、今日の婚姻式のことを思い出す。


いつも感情を顔に出さないルイが
満面の笑みで彼女を見つめていたのが
とても印象的だった。


国王陛下は「生前退位」という形を取ることで
全権をルイに委ねることになった。


それは以前、ジルと共に
国王陛下に挨拶に行ったときに聞かされた。















………その時

国王陛下は、ジルとイリアを交互に見ると

「安心したよ…ジル」

一言、そう言った。




その言葉に全てが詰まっていたのだろう。

イリアがジルの顔を少し見上げた時
その瞳は僅かに潤み揺らいでいたように見えた。



「イリアと二人で、新しい王と王妃を支えます」

「頼んだぞ」



穏やかな笑み。静かな声。

国王陛下は思っていたよりもずっとずっと
優しく温かいお方だった。









(これからはジルの秘書として…星詠み師として…ルイ国王とプリンセスに……)


徐々に瞼が重くなってくる。


(………)




意識が静かに落ちていく、
まさにその時だった。








ドンドンドンドン!!!






ものすごい勢いで扉をノックする音で


イリアは一気にまどろみから戻った。



「わ!え…はい?」


しどろもどろな返事を返しベッドから飛び起きると


「お疲れさま!イリアさん!」


顔を見せたのは、ユーリだった。

「ユーリ?どうしたの?お疲れ様…」


ユーリはイリアの顔を見るや否や、ふふっと笑う。

「…イリアさん、寝てたでしょ」

「え?ね、寝てないよ…うとうとしただけ」

「ふーん…」

咳払いを一つして、イリアが切り出す。

「で、どうしたの?なんの用?」



するとユーリはにっこり満面の笑みを浮かべると

「じゃあお邪魔しまーす!」

と、いきなり大きな荷物と共に入ってきた。


「え?え?なに?」


ユーリは大きな箱を2つ、小さめの箱を2,3つ運んで入ってきた。


「とりあえず、『これ』からいいかな?」

ユーリは部屋の真ん中で
一番大きな箱を開けた。




「………え?な、なに??これ…」




中身を見て、イリアはわけがわからず固まった。

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