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【イケメン王宮】星の導きのままに。

第16章 婚姻式





プリンセスとルイの婚姻式は
各国の来賓や貴族たちに見守られながら

滞りなく終えた。


開放された王宮の庭には
城下の人たちが集まり

新しい王と王妃の誕生を祝い
テラスで手を振る二人に
沢山の祝福のエールを送っていた。



その様子を離れたところで警備にあたるアランが見守っていると

「あの泣き虫が、王ね」

後ろから独り言のように声がした。


アランは肩越しに相手を確認すると
すぐに視線を前に戻す。


「…式に出席しなくてよかったわけ?」

「ああ、泣き虫に泣かれると困るからな」


ミッドナイトブルーの瞳が
意地悪な笑みを浮かべている。


「……あいつには?」

「あ?」

「……イリアには会わなくていいのか?」



シドは鼻で笑うと

「あのうるせえ『教育係』に絞め殺されそうだからな…」


アランもぷっと笑う。


「アンタ…やっぱりあいつのこと好きなんだな」


「あ?ちげえよ」

アランはもう何も言わなかった。




「ま……嫌いじゃねえ」




シドの独り言は

鳴り止まない拍手と歓声の中にかき消えた。













式が全て滞りなく終わり
来賓たちも全員が帰り

新しい王と王妃になったルイとプリンセスは
新しい部屋に二人で暮らすことになっていた。



「イリアちゃんもお疲れさま。今日は朝からだったから疲れたでしょ」


廊下を歩きながら
レオはねぎらいの言葉をくれた。


「そうですね…さすがに疲れました。今日は星の観察はお休みします」

「その方がいいね」



慌ただしい日だったせいか
ジルはたまに姿を見かけるものの
朝から一言も言葉を交わすことなく今に至る。



「ジル様はまだお仕事でしょうか」

「さぁ…すぐ戻るんじゃない?先に部屋で休んでたら?」

「…そうですね」


何かまだ仕事が残っているなら手伝いたかったが
レオに促され、もう私室の前まで来てしまったので

「じゃ…おやすみなさい」

「うん、おやすみ、イリアちゃん」

そのまま部屋に戻ることにした。






(はぁーー…疲れたぁ…)

イリアはそのままベッドになだれ込んだ。

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