第15章 王宮会議
2週間後
怪我の治ったイリアは王宮に戻り
その3日後に、王宮会議が催された。
イリア反対派の官僚たち
ジル、レオ、アラン、プリンセス、そしてルイ。
円形の机の真ん中には
椅子に掛けるイリアがいた。
反対派は
一般の人間が国政に関与していたこと
そしてその指針が星詠みという曖昧なものを採用したこと
その2点の主張を変えず
イリアの国家反逆罪、国外追放を求めていた。
レオは星詠みを国政に取り入れている国の案件を提示したり
ジルは今までの功績
ルイは次期国王としての必要性を説くものの
両者は平行線のまま
時間だけが経過した。
会議室の空気が
重たく立ち込める中
バタン!!
会議室の扉が開かれる音が
その空気を切り裂いた。
「遅くなってすみません」
その会議室にいた全ての人間が
入って来たその人物に注目した。
その人物は
イリアの目の前にあった、たった一つの空席に
どかん、と座った。
そして
手に持っていた書類を
乱暴に机に放り投げた。
イリアはその姿に
目を見開いて心底驚いた。
「…ご子息の方が来られるとは、珍しいこともある」
官僚の一人が厭味ったらしく呟いた。
「……」
ミッドナイトブルーの瞳が
反対派の官僚をざっと見まわす。
「…グランディエ大公…親父の代理で来た」
(え?)
イリアは耳を疑った。
(シド?って……ええ?!)
するとシドは
目の前に放り出した書類の中の一つを高らかに掲げた。
「これは、ネープルズの国王陛下の側近、マダム・シャルロットからの推薦状だ。
ここに、イリアを星詠み師としての技量の保障とウィスタリアに残すことを推薦する旨が書いてある。
あと、これは国王陛下からの書状」
「なに?!国王陛下からの書状があるのか!」
シドはもう一つの羊皮紙を出した。
他のものと明らかに違う質感の紙を、その場の人間に見せる。
「星詠みを国政に採用していることを正式に認める、とある」