第15章 王宮会議
扉を叩いた主はルイだった。
「イリア、気分はどう」
無表情なルイだが、気遣っている気持ちは伝わってくる。
「はい、おかげさまで大丈夫です」
ルイはその言葉に黙ってうなづいた。
「…ジル、残念だけど王宮会議は避けられないと思う」
「はい、分かっています」
「俺も…次期国王として出席できるかな」
ルイの突然の提案にジルは目を見開く。
「それで、よいのですか?」
ルイはうなづく。
「プリンセスともそう話して決めた。俺も彼女も、イリアには王宮に残ってほしいから」
その言葉に、イリアは胸が熱くなった。
「!」
「何でも星に決めてもらうわけじゃないけど、俺が国王になっても少しは参考にしたいから」
そう告げたルイの顔は
国王の威厳を感じさせるような
そんな表情だった。
イリアは改めて
ルイが国王になることを、身を持って実感した。
「とにかく、怪我がよくなるまでここでゆっくりするといいよ」
ルイはそう告げて、部屋を去ろうとする。
「ジル」
扉に手を掛けて、ルイが振り返った。
「なんでしょう」
「……ほどほどにしないと、彼女の怪我に障ると思うけど」
ルイの意地悪な笑みに
イリアは顔を真っ赤にして俯いた。