第12章 宴の誘い
佐助が手早く庭に的を立て弓を用意する
佐助「其では今から家康さんVS謙信様による対決を始めます」
幸村「佐助お前スゲーな」
あっという間な試合会場を作り上げた佐助に驚く
佐助「大したこと無いよ、其より萩さんをよろしく
信玄様に触らせないで」
チラッと信玄を見る
佐助は萩を幸村に任せてある
ニコニコ微笑みながら幸村の着物の袖を握っている
家康「幸村、わかってると思うけど必要以上、萩に触らないで」
信玄「佐助酷いな、俺は天女を抱きしめたいだけなのに」
謙信「貴様は触るな萩が穢れる」
信玄「はいはい、分かったよ」
肩を竦めて返事をする
佐助「では、改めて勝敗の説明を致します。
的は一つ、外したら負け確定です。二人とも命中した場合はより中心に近い方の勝ちです。弓はこれを使ってください」
家康「分かった」
謙信「いいだろう」
佐助「どちらからやりますか?」
謙信「俺からやる」
佐助から弓矢を受け取り的に向かう
数回弦を引き、しなり具合を確かめ矢をつがいうった
中心から僅かにそれて刺さる
家康「俺に喧嘩売った事後悔させてあげるよ」
佐助から弓矢を受け取りニヤッと笑う
的の前に立つと躊躇い無く矢をつがいうつ
トンッと軽い音が鳴り真ん中に矢が刺さる
佐助「さすがです家康さん。ど真ん中に命中してます」
普段無表情の佐助が微かに笑う
謙信「・・・・・佐助、貴様主君が負けたのに嬉しそうだな?」
ギロッと睨むがお構いなしで
佐助「僕は純粋に家康さんの事を称賛したまでです」
謙信「ふんっ、興が冷めた俺は部屋へ戻る
萩、部屋を用意してやる今日はゆっくり休め」
振り向くことなく謙信は去っていった
信玄「どうやら宴はお開きの様だな
萩、今日は勝者の家康と楽しみな」
にっこり微笑みかけ信玄も去っていった
家康「萩お待たせ、おいで」
萩「いえやすおかえり~」
幸村から離れ家康に抱きつく
佐助「どうしたの幸村、赤い顔して?」
幸村「な、何でもねぇよ!俺も部屋に帰る」
佐助「まぁいいか、家康さん部屋に案内しますね」
家康は萩を抱き上げ佐助の案内で今夜泊まる部屋へと向かったのだった