第9章 春日山城下
謙信は鍛冶屋を出て大通りを歩いていた
少し歩いた所で前方の店先で騒いでいる男が見えた
謙信「あれは信玄、今日は安土に行くと言っていたが何故ここにいる?」
信玄たちのもとへと近づいて行く
謙信「信玄、貴様こんな所で何をしている」
苛立った感じで信玄に声をかけた
信玄「謙信こそどうした?」
謙信は抱きかかえられている萩を見てため息を吐く
謙信「また、女を口説いていたのか?
勝手に城に連れてくるな・・・」
ビクッと萩の体が震える
信玄「んっ?どうした萩」
謙信「萩だと?あの時の女か・・・
それなら話は別だ城でもてなしてやろう」
信玄「珍しいなお前が女をもてなすのか?」
驚いて謙信を見る
謙信「こいつはそこらの媚びを売る女とは違う。刀を扱えるしな」
フッと笑うと萩の髪を掬い上げ口付ける
萩は笑う気配に伏せていた顔を上げ謙信を見ると目が合った
萩「お、お久しぶりです・・・」
謙信「ああ、久しいな。今から城で貴様をもてなし・・・・・」
?「信玄!!!」
萩「!?今の声は・・・」
声のした方を見ると鬼の形相で秀吉がこちらに走って来ている
萩「ひ、秀吉さん?」
信玄「残念、お迎えが来たみたいだな」
秀吉「信玄!貴様萩から離れろ!?」
今にも刀を抜きそうな勢いで信玄を睨み付ける
佐助「落ち着いて下さい秀吉さん」
秀吉「誰だお前は!?」
秀吉と信玄の間に割り込んできた佐助を睨む
佐助「初めまして僕は萩さんの幼馴染で佐助と言う物です
感動だなこうして話が出来るなんて
あっ、秀吉さん握手しもらってもいいですか?
嬉しいな、あの有名な豊臣秀吉さんと握手が出来るなんて・・・
出来れば家康さんとも握手がしたいな」
秀吉「萩の幼馴染・・・」
(そう言えば幼馴染がいると萩から聞いたな)
返事を待たず手を握る佐助の勢いに怒りを忘れ
秀吉「家康と握手したいのか?家康ならそこにいるが・・・」
その言葉に佐助だけでなく信玄、謙信も秀吉の後ろを見る