第9章 春日山城下
織田軍は馬を走らせ春日山城下に到着した
政宗「思ったより早く着いたな」
家康「馬に休憩無しに走らせたら早くも着きますよ」
信長「相手は甲斐の虎だ気を抜くな」
三成「はい、心得ております」
秀吉「皆、手分けして萩を探すぞ」
三成「家康様ご一緒に・・・・・」
家康「政宗さん行きましょう」
三成の言葉を遮るように政宗に声をかけると歩き始める
政宗「悪いな三成」
秀吉「全く・・・行くぞ三成」
三成「はい、かしこまりました。行ってまいります信長様」
信長「俺はここの茶屋で待っている」
秀吉達が人混みに消えるのを信長達を追いかけてきた光秀が陰から様子を窺っていた
斥候「光秀様」
光秀「萩はどこにいる?」
萩の後を付けさせていた斥候が報告にやって来た
斥候「大通りで信玄たちと店を見て回っています」
光秀「なら直ぐに秀吉達も見つけるな
そちらの方が面白そうだな行ってみるか
お前は信長様を見ていろ」
斥候「はっ!」
人混みを縫いながら前に進んでいると
萩「あっ!ねえねえ佐助君あれって何?」
少し先ではしゃぐ萩の声が聞こえてきた
家康「いましたよ」
政宗「ああ、暫く様子を見るか」
草鞋作りを珍しそうに眺めていたと思ったら
佐助を引っ張り扇子を見つめ一つを手に取る
政宗「あいつ扇子に興味があったのか?
言えばいくらでも俺が買ってやるのにな」
家康「・・・政宗さん、あいつ萩に何か言ってませんか?」
政宗「ああ、何か耳打ちしてんな」
佐助が萩の耳元で何かを喋っていた
家康「・・・・・信玄、扇子、持つ、見ろ、かな?遠くて口元がよく見えませんが」
政宗「読唇術か」
家康「あまり得意では無いですが大体合ってると思います」
政宗「『扇子を持って信玄を見ろ』って事か」
萩を見ると胸元に扇子を持って上目遣いに信玄を見詰めていた
政宗「おねだりしてみろって事か・・・俺の事も見詰めて欲しいもんだな」
家康「はぁ・・・何で言う事聞いてんの?」
ニコニコ笑っていた信玄が素早く萩の腰を抱き寄せ唇を奪った
家康、政宗「「なっっ!!」」
萩は信玄の腕の中で崩れ落ち抱き上げられた
二人は殺気を抑え込み信玄を睨みつける