第6章 探険
萩「信玄様どこに行くのですか?」
信玄に横抱きに抱かれたまま連れて行かれた先には
美しい黒い毛並みの馬が一頭待っていた
信玄「待たせたな黒雲」
嬉しそうに鼻を信玄に摺り寄せてくる
萩「綺麗・・・おいで黒雲」
自分の主人が抱いている萩をジッと見つめてから
そーっと鼻を近づける
萩「いい子。黒雲は美人ね」
信玄「驚いたな、黒雲から近づくとは・・・
この子は少し気性が荒くてね。俺以外にはあまり懐かないんだよ」
萩「そうなのですか?」
よしよしと鼻の頭を撫でていると
?「勝手に動き回るなって言ったでしょーが!」
信玄「せっかく安土に来たんだ逢瀬を楽しまないとな幸」
幸村「はあ!何言って・・・・・萩?」
黒雲に隠れて見えなかったのか
信玄に抱かれた萩にやっと気づいた
萩「幸村、久しぶりだね」
幸村「おお//・・ってお前なんでまた信玄様に抱かれるんだ?」
(あれっ・・・確かになんで降ろしてくれないのかな?)
ジッと信玄見上げていると
にこりと微笑み
信玄「口づけを待っているのかい?」
萩「えっ!違います」
信玄「そう?残念だな」
そう言いながらも萩に顔を近づける
萩「もう!ダメですよ」
グイッと顔を押しのける
?「萩さん久しぶり」
萩「あっ佐助君!様子を見に来るって言ったのに来なかったでしょ!
待ってたんだよ私」
佐助「ごめん、色々忙しくて
無事に織田の姫君になったみたいだね」
萩「うん。信長様のことを兄様って呼んでる
一人(光秀さん)を除いて優しいし安土城は楽しいよ」
にこにこ微笑み話していると
信玄「...楽しいか
萩、春日山城の方が安土より楽しいよ
今から春日山城へおいで」
萩「でも、夕餉までには帰るって・・・・・」
信玄「そうと決まればすぐに出発しよう」
萩を黒雲の背に乗せるとひらりと飛び乗る
背中から囲むように手綱を握り馬を走らせる
信玄「帰るぞ。幸村、佐助」
萩「えっ、まだ城下も見てないし、それに行くって言ってない!」
幸村「はぁ・・諦めろ萩」