第6章 探険
萩「松子さん!馬に乗るから袴を着せてもらってもいいですか?」
松子「はい、喜んで」
部屋に帰ると松子に着替えを手伝ってもらい
急いで厩へと向かって行った
萩「お待たせ小鹿毛!」
秀吉「ちょっと待て萩、馬に乗れるのか!?」
後ろから息を切らして走って来た
秀吉が引き止める
萩「もちもん乗れるよ。私は17代当主だよ
一通りの事は出来るよ」
よっと華麗に跨り手綱を引く
萩「夕餉までには帰って来るからね。行って来ます」
秀吉「萩!
まったく三成、見つからないようについて行ってくれ」
三成「はい。かしこまりました」
ひらりと馬に乗り後を追いかけて行く
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小高い丘にたどり着きいったん馬から降りる
萩「よしよし。少しここで休憩しようね
うーん、いい風」
風が吹くたびに栗色の髪がフワフワ揺れる
ブルルルッ
萩「んっどうしたの?小鹿毛」
?「また会ったね。俺の天女」
萩「えっ?」
声が聞こえると同時に体が浮き嗅いだ事のある薫りに包まれた
萩「信玄様!?」
後ろから信玄の抱き上げられた
信玄「会いたかったよ萩。
せっかくだからこのまま俺と逢瀬を楽しもう」
萩を抱いたまま歩き出す
萩「えっ!でも小鹿毛がいるので」
信玄「大丈夫。あの馬は信長の馬だろう?一人で厩まで帰れるよ」
小鹿毛を見るとクルッ向きを変えお城の方角へ走り去っていく
萩「気を付けて帰るのよ」
小鹿毛が見えなくなると
信玄「それじゃあ、逢引に行こうか」
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少し離れた所で丘を眺めていると
小鹿毛がこちらに向かって走ってくる
木陰に隠れ通り過ぎるのを待つ
しかし、通り過ぎる小鹿毛の背に
三成「誰も乗っていない?」
馬に乗り丘を目指す
三成「萩様」
辺りを見回すが萩の姿は何処にもない
三成「どう致しましょうか。」
馬の手綱を引き元来た道を急ぎ引き返していった