第18章 求婚の文
萩が文の存在をしってから数日後のある日の
とあるお城の出来事
家臣「殿ー!!」
?「どうした?」
家臣が勢いよくバタバタと廊下を走ってきた
家臣「安土の信長様から文の返事が届きました!」
?「そうかやっときたか」
読んでいた書物を文机に置き家臣が持ってきた文を手に取った
文を読んでそばに控えていた家臣に告げる
?「明日城を発つ準備を頼む」
家臣「は!」
家臣が退室し部屋に一人になった
信長からの文を読み返してふと気づいた
?「これは・・・」
紙の端に遠慮気味に一言何か書かれていることに
<貴方のお越しをお待ち致しております 萩>
?「ふふっなんとお可愛いらしい」
(噂では大層お美しい姫君で民たちに慕われているとか)
微笑みを浮かべ文をたたみ腰を上げた
家臣「殿ー姫君への贈り物はいかが致しましょうぞ」
?「そうだな・・・花を持って行こう」
家臣「それは宜しいですな
おい!誰かいないか!?」
侍女「はい。いかが致しましたか?」
家臣「明日の朝一番で花を用意してくれるか
姫君への贈り物にする」
侍女「かしこまりした手配いたします」
侍女は一礼をして下がっていく
家臣「さてこれで準備は完了で御座います」
?「ご苦労だったな明日の備えしっかり休んでおいてくれ」
家臣「は!」
家臣が去って行き静かになった部屋でもう一度萩の書いた文字を見つめた
?「『お越しをお待ち致しております』か・・・
姫君私も貴女にお会いするのを楽しみにしております」
まだ見ぬ姫に思いを抱き夜は更けて行った
そして次の日侍女の用意した花を手にし
家臣と共に城を出発し安土城を目指したのだった