第14章 エンジェルスマイル?
朝餉を食べに来て三成と自分以外が城にいないことを初めて知った
終始にこにこ微笑んでいる三成を萩は朝餉を食べながらちらちら盗み見る
今日の三成はいつもと違う
どこが?と言われても具体的には言えない
三成「萩様」
萩「はい!?」
名前を呼ばれてびくっと震え大きな声で返事をする萩をみてにっこり微笑む
こちらを気にしていましたのでお声をおかけしたのですが
吃驚されてしまいました・・・
三成「言い忘れておりましたが信長様をはじめ秀吉様、家康様、政宗様、光秀様は出かけられております
たぶんお帰りは明日のお昼頃になるかと」
萩「え!?じゃ、じゃあそれまで三成君と二人きりなの?」
なんでよりにもよって誰もいないの!?
三成君に合わないように今日は部屋から出ないようにしよう
三成「はい。危険はないと思いますが今日はお傍を離れずにご一緒させていただきますね」
三成の『傍にいる』発言にさぁっと血の気が引き泣きそうになり俯く
なぜでしょう?泣きそうなお顔で怯えていらっしゃいます
でも、怯えているお顔も可愛らしいですね
そんなことを思っていると
萩「本が読みたいで、す」
三成「本、ですか?」
萩「少し前に初心者の私でも読める本があるって三成君言ってたでしょ?」
そう言えば書庫で子供向けの本を数冊見つけましたね
三成「では、書庫に本を取りに参りましょう
私は文献の解析をいたしますので、萩様も一緒に仕事部屋で本をお読みくださいませ」
萩「うん!」
三成が本を読む➡集中したら周りが目に入らない➡ということは・・・
よし!?三成君が本を読んでくれれば傍にいても安全、大丈夫だね
ほっとして微笑む
萩様が笑顔になられました
本が読めるのが嬉しいのですね
三成「萩様が読めるように頑張ってお教えいたします」
萩は微笑みを浮かべたまま固まった
今・・・頑張って教えるって言った?
三成「手取り足取りしっかりと、ね?」
にっこりエンジェルスマイルで笑う三成
萩には黒い笑みで笑う光秀のように見えた