第12章 宴の誘い
佐助「おはようございます。萩さん家康さん朝餉の準備が出来ました」
襖越しに佐助が声をかけて去っていく
家康「萩、朝餉が出来たって」
萩「んっ・・・」
目を閉じたまま家康の首に手を回し抱き寄せると寝息が聞こえ始める
家康は耳を甘嚙みして耳朶に舌を這わす
ピクッと萩が反応して抱きしめる腕に力がこもる
家康「萩、起きないとまた抱くよ?」
萩「ぁっ・・」
家康「耳弱いの?」
ふぅっと耳に息を吹きかけクスクス笑っているとうっすら瞳を開く
萩「・・おはよう」
家康「おはよう萩、着替えようか」
萩「・・うん」
褥から抜け出し散らばった着物を集める萩を素早く着付けた
家康「行こう萩」
家康に手を引かれ皆が待つ広間へと向かう
佐助「おはようございます。家康さん、萩さんこちらへどうぞ」
家康「おはよう」
信玄「やあおはよう姫君、よく眠れたかい」
萩「・・はい」
(本当はすっごく眠いよ・・・)
何とか笑顔で答えて食事を終える
家康「じゃ、宴も済んだので帰らせてもらいます」
謙信「萩、また宴に呼んでやる。次回は俺が必ず勝つ」
萩「はい。楽しみにしてますね」
家康「はぁ・・・」
ニコニコ微笑む萩に対して家康は溜息を吐いたのだった
安土に帰る馬上で萩は家康に抱きかかえられて眠りについた
三成「おかえりなさいませ。家康様、萩様」
政宗「おっ、帰ってきたのか。どうだった春日山城は?」
光秀「萩は寝ているな」
城に着くと三成、政宗、光秀が話しかけてきた
家康「慣れない所で疲れたんでしょ。それより信長様は?」
三成「広間にいらっしゃります」
ひらりと馬を降り萩を横抱きに抱き広間へと向かう
カラッと襖を開き部屋に入る
家康「ただいま帰りました」
秀吉「おかえり、萩は寝てるのか?」
家康「はい、ちょっと疲れたみたいです」
信長は家康に抱かれて眠る萩をジッと見つめ
信長「・・・・・家康、貴様俺に何か報告があるのではないか?」