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連れ立って歩く 其の四 和合編 ー干柿鬼鮫ー
第9章 ヒナタ
「…牡蠣殻磯辺…」
「え?」
ヒナタに訝しげに聞き返され、ハッとネジが口を噤んだ。
「いや、何でもない。ひと雨来そうだ。帰ろう」
先に立つネジが、一瞬手を差し出しそうな素振りを見せたが気のせいだったのかも知れない。
カキガライソベ?
引っ掛かりの尻尾らしい言葉を追い掛けた思考が、歩き出したネジを追う事で乱れて薄れた。
夜風に吹かれてネジを追いながら、ヒナタは素直に家路を辿った。
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