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連れ立って歩く 其の四 和合編 ー干柿鬼鮫ー

第12章 薬師カブト


「で?このバ牡蠣殻は何で薬が効かねえんだ?どうすりゃ効くようになる?さっさと教えて失せろよ、薬師。明日モノを持って来んのは誰だ?ちゃんと言っとけよ。俺は人見知りするからな。知らねえヤツが家に来たら取り敢えずブッ殺す事にしてんだよ」

得たり。

カブトは口角を上げて快活に答えた。

「恐らくは浮輪本人か、荒浜という男が現れますよ。トンビ姿の眼鏡か、細長い異相の男か、いずれも磯人ですから現われた際には驚かないようにして下さい。何せ磯の者はいきなり現れるのが常ですから」

「消えんのもさっさとしてりゃ文句はねえ。謀るなよ、薬師。謀ったらば先ず牡蠣殻を始末するからな」

脅しか本気か読み切れない。
冷たい顔で言い放ったサソリをカブトは正面から見返した。

「勿論ですよ、サソリさん。あなたを謀るなんて事、僕がする筈ないじゃないですか」














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