第10章 隠れた気持ち
「おはよ。」
楽屋に入ると智くんが先に到着していた。
「おはよう、早いね。」
「ん、釣り、行ってきた。」
「あはは、なるほどね。釣れた?」
「うん、大量のカサゴちゃん。」
「マジ?あなたカサゴ好きよね。」
「ふふ、うん、そればっか釣れる。」
結局あれから一睡もできず、仕事の時間まで曲の編集で時間を潰した。
「翔くん、」
「なに?」
「くま、すごいよ。」と智くんが手鏡をこちらに向ける。
「うわ、マジだ。やっばいね。化粧でどうにかなんのかな、コレ。」
「寝てないの?」
「あー、曲のね、編集が終わらなくて。」
「ふうん、仕事ばっかしてたらダメだよ。」
「んふふ、そおね、見習います。」
「連絡とった?」
「はい?」