第9章 カコ
マンションへ入ると、「おかえり」とが迎えてくれる。
「ただいま。」
「あ、」
が俺の右手にあるボックスに気づく。それをすぐに、差し出した。
「おめでとう!」
「ふふふ、ありがとう。・・・なんか得意げですね。」
「うん、達成感、はんぱない。」
「あはは、もうご飯できてるよ。」
「やった、あー腹減った!いい匂い!」
笑うがいて、暖かい飯があって、久しぶりの二人の時間があって、やっぱりこれが俺の幸せだと思った。右ポケットに入ったそれを確認する。もう迷いなんてない。
今すぐは無理だけど、その決意表明でこれを渡そうと思っていた。やっと今日、渡せる。