第9章 カコ
飯も食べ終わって、ケーキも食べて、テレビを見ていたけど、やっぱり俺の中ではまだ終わってなくて。むだにソワソワが止まらない。
「・・・、さん。」
「・・・どうしたの、」
「お話がありまして・・・」
緊張しながら言ったせいか、少し声が裏返る。
「・・・うん、ちょうど良かった、私も翔くんに話したいことがあって。」
「・・・あ、そうなの?」
意外なタイミングに勢いが怯んだ。これはの話を先に聞いておこう。じゃないと、俺の話は重すぎる。
「じゃ、じゃあから。」
「うん、」
まさか俺の話と全く正反対の内容だなんて、誰が予想できただろう。
が息を整えるように、静かに息を吐いた。真っ直ぐに俺を見つめて、少しだけ目を細めた。
「翔くん、別れよう、私たち。」