第9章 カコ
収録が早目に終わって、相葉くんから「飯行こう」と誘われたけど、「ごめん、先約。」と言って断った。
「なに!なんかあんの!?」
とお祭り好きは目をキラキラさせて興味有り気に食いついてくる。しまった、こいつに言うんじゃなかった。
「あー・・・」
めんどくせえ、と頭をかくと
「翔さん今日は妹の誕生日なんです。」
とニノが相葉くんに言う。
「え!やっさしー。じゃあしょうがないか。」
以外に相葉くんがあっさり引き下がる。自分の期待していた恋愛系とは違うものが返ってきたからだ。わかりやすい人。
「ごめんね、また埋め合わせするから。」
「いーよ、いーよ、また誘うから!」
「ニノ、ありがとね。」
なぜかニノにお礼を言ってしまった。
「いいんですよ、しっかりね、翔さん。」
また意味深な表情。しっかり?何を。
楽屋を出ようとした時、マネージャーが扉を開けた。
「櫻井さん!ケーキ忘れてたでしょ!」
「あ、忘れてた。」
「もう、しっかりしてくださいよ。」
しっかり?こういうことか。
久しぶりにマネージャーの運転ではなく、自分の車で帰宅した。の待つマンションへ。