第9章 カコ
19時、収録の合間の休憩でマネージャーにおつかいを頼んだ。
「ほんと悪いんだけど、局出て道路挟んだケーキ屋さんでチョコの四角いホールケーキ買って来てくれない?」
「え?ケーキですか?」
「うん、ちゃんと保冷剤つけてね!出来ればいっぱい!」
「あ、今召し上がらないんですか?」
「持って帰りたいの。あ、お誕生日おめでとうのプレートもね?」
「どなたかのお誕生日ですか?」
「うん、妹。」
ごめん、まい。また使わせて頂きました。
それを聞いていたのか後ろから「へえ」という声が聞こえた。
「・・・に、にの。」
「まいちゃん、誕生日、なんすね。」
「うん。」
「もういくつになったの?」
「えっと、・・・あれいくつだっけ。」
困る俺を見て、二ヤッと笑うニノが
「お兄ちゃん、しっかり。」と言って楽屋に入って行った。
ニノのあの笑い方はなんか、怖い。