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sugar and salt

第7章 突然のドライブは




「……、」




 今日は翔くんがやけに静かだ。いつもはお喋りが止まらないのに。今日は2人で黙ることが多い。



「翔くん、やっぱり疲れた?」

「…え?いや、ぜ、んぜん。」

「そう?大丈夫?」

「うん、…大丈夫ちゃあ大丈夫だけど、」

「だけど?」

「じゃないっちゃあ、じゃない。」



 一体どっちなんだ。



「なにか、ありましたか。」

「うーん、…色々考えすぎてさあ、」

「うん、」

「ちゃんへの告白。」

「うーん、それはむずかし……………え?」




 流れるように言われた言葉に耳を疑った。





「そう、格好いいこと言おうと考えてたのに、何がなんだかわかんなくなって、なんも言えない。」



 え、いや、さ、櫻井さん、

 私があたふたしていると、翔くんは眉を下げて笑った。



「あっはは、困ってる。」

「翔くん…からかってる。」

「ごめん、ごめん、からかってないよ。ただの照れ隠し。」

「そういうのって普通言わないんじゃないかな。」

「うん、言っちゃった。」



 両手をズボンのポケットに突っ込んで、へへ、とイタズラに笑う翔くんは凄く子供っぽい。




「……言って、くれないんですか?」

「言ってほしいんですか。」

「…い、言ってほしいんですよ。」

「はは、なんなのこれ。」






 笑う翔くんが、急に真面目な顔をして私に体を向けたので緊張した。






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